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日別アーカイブ: 2026年7月24日

甲斐電設のびりびり通信~点検・保守技術~

皆さんこんにちは

有限会社甲斐電設です!

 

~点検・保守技術~

 

電気設備は、設置した後も長期間にわたって使用されます。

照明やコンセントなどの身近な設備だけでなく、工場の生産機械、ビルの受変電設備、空調設備、ポンプ、防災設備など、建物には数多くの電気設備があります。

これらの設備は、使用年数の経過とともに少しずつ劣化します。外見に大きな変化がなくても、内部では端子の緩み、絶縁性能の低下、部品の摩耗、異常発熱などが進んでいる場合があります⚠️

故障してから修理すればよいと考える方もいるかもしれません。しかし、工場や店舗で突然停電が発生すると、生産停止、営業中断、商品の廃棄、設備故障など、大きな損失につながる可能性があります。

そのため、電気設備では、異常が発生する前に点検や保守を行う「予防保全」が重要です。

今回は、電気工事業における点検・保守技術と、デジタル技術を活用した新しいメンテナンス方法についてご紹介します💻

電気設備はなぜ劣化するのか

電気設備の劣化には、さまざまな原因があります。

代表的なものが、熱、湿気、ほこり、振動、紫外線、塩分、薬品、経年変化などです。

電線や機器へ電気が流れると、わずかに熱が発生します。正常な状態であれば問題ありませんが、端子のねじが緩んでいたり、接触部分が劣化していたりすると、電気抵抗が大きくなり、異常に発熱することがあります🔥

工場では、機械の振動によって端子や固定部分が緩むことがあります。屋外設備では、雨や紫外線によってケーブルや樹脂部品が劣化します。

海に近い地域では、塩分によって金属部分が腐食することもあります。厨房、浴室、食品工場など湿気の多い場所では、水分や油分が設備へ影響を与える可能性があります。

設備が設置されている環境によって、劣化の進み方は異なります。そのため、すべての設備を同じ方法で点検するのではなく、場所や使用状況に応じた点検計画が必要です。

目視点検で小さな異常を発見する

点検の基本となるのが目視確認です👀

分電盤や制御盤の内部に変色や焦げ跡がないか、電線の被覆が傷ついていないか、機器にひび割れや変形がないかなどを確認します。

また、異常な音やにおいも重要な手がかりです。

設備から「ジー」という音が聞こえたり、焦げたようなにおいがしたりする場合は、接触不良や絶縁不良が発生している可能性があります。

盤内にほこりが大量にたまっていると、放熱を妨げたり、湿気を含んで漏電の原因になったりすることがあります。虫や小動物が侵入し、配線や機器へ影響を与えるケースもあります。

目視点検は特別な測定器を使わない方法ですが、経験豊富な技術者であれば、色、音、におい、振動などから異常の兆候を発見できます。

絶縁抵抗測定で漏電リスクを確認

電線には、電気が外部へ漏れないように絶縁体が使用されています。

しかし、絶縁体は熱や湿気、経年劣化などによって性能が低下します。絶縁性能が低下すると、電気が建物の金属部分や大地へ漏れ、感電や火災の危険性が高まります。

絶縁抵抗測定では、専用の測定器を使い、電気回路の絶縁状態を数値で確認します📏

見た目に問題がなくても、測定すると絶縁性能が低下しているケースがあります。定期的に測定結果を記録しておけば、数値の変化から劣化の進行を把握できます。

前回より数値が大きく低下している場合は、配線や機器を詳しく調査し、必要に応じて補修や交換を行います。

測定値だけで判断するのではなく、設備の種類、使用環境、過去の記録などを総合的に確認することが重要です。

サーモグラフィーによる温度点検

近年、電気設備の点検で活用されているのがサーモグラフィーです🌡️

サーモグラフィーは、物体の表面温度を画像として確認できる機器です。分電盤や制御盤を撮影すると、温度が高い部分を色の違いで把握できます。

端子の緩みや接触不良があると、その部分だけ温度が高くなることがあります。通常の目視では分からない異常も、温度分布を確認することで早期に発見できる可能性があります。

設備を停止せず、稼働中の状態で点検できることも大きなメリットです。

工場では、設備を停止すると生産へ影響するため、運転中に確認できる点検方法が重宝されます。

ただし、表面温度が高いからといって、必ず故障しているとは限りません。周囲の温度、負荷電流、機器の特性なども考慮して判断する必要があります。

サーモグラフィーは便利な道具ですが、正しい診断には電気設備の知識と経験が必要です。

電流・電圧の測定で設備状態を把握

電気設備の点検では、電流や電圧の測定も行います。

三相電源を使用する設備では、各相の電流に大きな差がないかを確認します。特定の相だけ電流が多い場合、負荷の偏りや機器の異常が考えられます。

電圧が安定していないと、機械の誤作動や電子機器の故障につながる可能性があります。

また、モーターやポンプでは、正常時の電流値を記録しておくことが有効です。電流値が徐々に増えている場合、機械部分の摩耗や詰まりなどによって負荷が大きくなっている可能性があります。

電気の数値から、機械設備側の異常を発見できることもあります🔧

設備の正常な状態を記録し、その後の数値と比較することで、小さな変化を見つけやすくなります。

IoTセンサーによる常時監視

従来の点検は、技術者が定期的に現場を訪れ、その時点の状態を確認する方法が中心でした。

しかし、点検と点検の間に異常が発生する可能性もあります。

そこで注目されているのが、IoTセンサーを利用した常時監視です📡

分電盤や機械設備へ電流センサー、温度センサー、振動センサーなどを設置し、設備の状態を継続的に記録します。

異常な温度上昇や電流の変化が発生した場合、管理者のパソコンやスマートフォンへ通知を送る仕組みをつくることもできます。

遠隔地にある設備や、夜間に無人となる施設でも、異常を早期に把握できます。

複数の店舗や工場を運営している企業では、それぞれの設備情報を一つの管理画面へ集約することで、管理業務を効率化できます。

データを活用した予知保全

設備が故障してから修理する方法は「事後保全」、一定期間ごとに点検や交換を行う方法は「予防保全」と呼ばれます。

さらに、設備データを分析して故障の兆候を予測する方法が「予知保全」です📊

例えば、モーターの振動、温度、電流値を継続的に記録すると、故障前に数値の傾向が変化することがあります。

過去の故障データと現在のデータを比較し、異常の可能性が高まった段階で点検や部品交換を行えば、突然の設備停止を防ぎやすくなります。

まだ使用できる部品を早すぎる時期に交換する必要も減り、メンテナンス費用の最適化につながります。

データを集めるだけでなく、どの数値を監視し、どの段階で対応するかを決めることが重要です。

現場を知る電気工事技術者と、データを扱う担当者が連携することで、より効果的な予知保全が実現します。

タブレットやクラウドを活用した施工管理

電気工事の現場では、点検記録や施工管理のデジタル化も進んでいます。

以前は、点検結果を紙へ記入し、事務所へ戻ってからパソコンへ入力する方法が一般的でした。

現在では、タブレットやスマートフォンを使い、現場で直接点検結果を入力できます。設備の写真、測定値、不具合の内容などをその場で保存し、クラウド上で共有できます📱

現場と事務所が同じ情報をすぐに確認できるため、報告や判断が早くなります。

過去の点検履歴や図面を現場で確認できれば、調査時間の短縮にもつながります。設備ごとにQRコードを取り付け、読み取るだけで点検履歴を表示する仕組みもあります。

担当者が変わっても情報を引き継ぎやすくなり、点検漏れや記録紛失の防止にも役立ちます。

施工写真と記録の重要性

電気設備の多くは、完成後に壁や天井の中へ隠れます。

そのため、施工中の配線や接続状況を写真で記録しておくことが大切です📸

どこに電線や配管が通っているのか、どのような材料を使用したのか、接続部分をどのように処理したのかを記録しておけば、将来の改修工事や故障調査に役立ちます。

図面だけでは、現場で変更した細かな位置まで分からない場合があります。施工写真と完成図面をセットで保存することで、設備情報の正確性が高まります。

また、測定結果や点検記録を残すことは、施工品質を証明する意味でも重要です。

お客様へ工事内容を分かりやすく説明し、安心して設備を使用していただくことにもつながります😊

技術者の経験とデジタル技術を組み合わせる

IoT、AI、クラウド、サーモグラフィーなど、新しい技術を活用すれば、点検の効率や精度を高められます。

しかし、機械やデータだけですべての異常を判断できるわけではありません。

数値に大きな変化がなくても、技術者が音やにおい、振動の違いに気づくことがあります。反対に、数値が変化していても、設備の運転条件が変わっただけという場合もあります。

現場を理解している技術者の経験と、デジタル技術による客観的なデータを組み合わせることが重要です。

これからの電気工事業では、施工技術だけでなく、測定機器やデジタルツールを使いこなす力も求められます。

まとめ

電気設備を安全に長く使用するためには、設置後の点検と保守が欠かせません。

目視確認、絶縁抵抗測定、電流・電圧測定、サーモグラフィーなどを活用し、小さな異常を早期に発見することが、事故や設備停止の防止につながります。

さらに、IoTセンサーやクラウドを利用すれば、設備状態の常時監視や遠隔管理も可能です。

電気工事業は、設備を設置するだけの仕事ではなく、その後の安全と安定稼働を長期間支える仕事でもあります。

経験豊富な技術者の判断力と、新しいデジタル技術を組み合わせることで、より安全で効率的な電気設備管理が実現していくでしょう🔍⚡💻